皮膚のすべてがアレルギーになる
老人になって、リンパ節その他の抗体を産生する細胞が老化したらどうなるか、非常におもしろい研究テーマです。
おそらく、幼若なリンパ節と違った態度を示すと想像されますが、はっきりした答えは出されていません。
皮膚は、深いところから分布してくる血管、リンパ管、神経、線維成分などを豊富に含む真皮と、ほとんどそれらを含まない最外層の角質層、マルピギー層、基底層からなる表皮、および1番内側の皮下脂肪層の3層からできています。
表皮は血管はもちませんが、リンパの流れが真皮から続いてはいりこみ、必要な栄養の補給や老廃物の除去と同時に、抗体をも送りこむパイプの役目を果たしています。
血管のなかは、血流に溶けた抗体と、運搬細胞(白血球)にのった抗体が流れており、血管の壁のすきまからアメーバのようにくぐりぬけた白血球にのった抗体は、血管の周囲、線維成分、皮下脂肪層、さらには内側から表皮内へとリンパ流にのって移動します。
こうして、体のなかにどんな経路から侵入した抗原に対しても、抗体は皮膚の全組織のすみずみまでいきわたります。
このために、どの臓器のアレルギーであっても、皮内注射で疑わしい抗原を試験すると、皮膚のアレルギー炎症があらわれてくるわけです。